龍の話

苧ヶ瀬池の陽気な龍神さまの話【龍と呼ばれるものたち #02】

龍の話

こんにちは、真日人です。
このページでは、賑やかなことが大好きな(?)龍のお話をご紹介します。

わたしの「へっぽこアンテナ」に引っかかる場所

「あの山の向こうには神様がいらっしゃるかも……」

車で通勤中にいつも通る道で、気になる山の方角に目を向けながら、ふとそんなことを考えていました。

「今度の休みにドライブついでに探検しに行ってみようかな?」

いつもの行き当たりばったりの神様(神社)捜索です。(笑)

その当時(10年以上も前)は、岐阜県の関市の方で派遣の仕事があり、母方の祖母の家に居候をさせてもらっていました。

祖母に、「いつも通勤で通る道から見える山の向こうが気になる。」と話すと、

「あっちの方角には、お不動さんのお山と、龍神さんをお祀りしている池があるよ。」と、教えてくれました。

というわけで、今度の休日に祖母と、当時近くに住んでいた妹とその彼氏(現在の旦那さん)を誘って、例のお山と龍神さんの池に遊びに行くことにしました。

運転中に見えたもの

ドライブの当日、わたしが車の運転を担当して道中を走っていると、太陽のちょうど真横辺りに小さくて細長い雲のようなものがあることに気が付きました。

「いつからあの場所に存在していたのだろう……」と不思議に思いながらも、何かの見間違いではないかと何度も瞬きしながら目を凝らしていると、

「太陽の横に蛇みたいに長細い何かがいるよ!あれは雲かね?」

と、助手席にいた霊感の強い祖母も「それ」に気が付いたようで、「やはりあれは幻ではないかもしれない……」と微動だにしないその物体を見つめながら、しばらくハンドルを握っていました。

苧ヶ瀬池に到着

しばらくして目的地に到着しました。

池のほとりにあるお堂と、「八大龍王」の幟旗がすぐに目に飛び込んできて、

「祖母の言った通り、龍神さんをお祀りしている場所だ!」と気が付きました。

池の名称は「苧ヶ瀬池」(おがせ池)といい、池の中には小さなお社があり、とても神秘的な光景が広がっていました。

苧ヶ瀬池について

  • 岐阜県各務原市にある池。苧ヶ瀬は「おがせ」と読みます。(周囲は約2km)
  • 農業用の灌漑用ため池とされていますが、古くからある池のようです。
    奈良時代の宝亀年間(770年頃)に、一晩でできたという伝説があるようですが、築造時期は定かではありません。
  • 池には竜宮城の入り口があるという言い伝えがあります。
    また、苧ヶ瀬池の鯉は神の使いとされています。
  • 池には龍神や大蛇が住まうという伝説から、古くから信仰の対象とされてきました。
    池の中には八大龍王堂が祀られ、池の周囲には、薬王院、八大龍王本殿、八大白龍大神、苧ヶ瀬神社など数多くの寺社があります。

突然始まったセッション?

駐車場に車を停めて、皆でお堂の方まで歩いていると……

妹と彼氏が「面白いもの見つけた!」と言いながら突然走り出しました。

二人の向かった先に急いで行ってみると、そこには小屋のようなものがあり、中に設置された台の上には大きなおりんや木魚、神楽鈴のようなものなど様々な鳴り物が置いてありました。

(ああ、この地は神仏習合の名残と、山岳信仰的な修験道の匂いもある大変興味深い場所だな……)

と感慨深く思っていると……

……

ぽく、ぽく、ぽく、ぽく……

……

え?

なんと!妹の彼氏が突然、木魚でビートを刻み始めたではありませんか!

「面白そう!わたしもやるー!」

そう言って、妹もそれに合わせてリズミカルにおりんを叩き始めました。

(ちょっと待て!?悪ふざけはやめろ!!誰か人が来たらどうするんじゃ!!)

心の中でそう思いながらも、終いにはだんだんとわたしもノッてきてしまい、ハンドクラップとちょっとアフリカンで怪しげな歌を即興で歌いながらステップを踏んで踊り出してしまいました。

……恐らく、この即興セッションで一番ノリにノッていたのは、このわたしです。(告白)

しばらくして、わたしたちはいろいろとアホらしくなり、正気に戻りました。

こちらの画像は2019年に苧ヶ瀬池のほとりにある八大龍王総本殿に訪れた際に撮影したものです。鳴り物が設置してあった小屋は現在はすでに無くなってしまったようです。これをご覧になっている皆さんは置いてあるものでは絶対に遊ばないでね!

池の向こうから現れたもの

この池の上空に龍神さまが浮かんでいるのかも……しれない?

若干、悪ふざけをしたことに後ろめたさを感じつつも、はぐれてしまった祖母を探しにお堂の方まで急いで向かいまいた。

しばらく池の周辺を歩いていると、池を囲むようにしてそびえる山の方角から風が吹き始めました。

そして、さっきまで穏やかだった池の水面が大きく波打ち始めて、風もだんだん強風へと変わっていきました。

(や、やばい……何か様子がおかしいぞ……まさか、あの悪ふざけのせいで池にお祀りされている龍神さまを怒らせてしまったんじゃ……)

先程まで太陽も見えていて、あれほど晴れていた空もだんだんと黒い雲が覆い始めていました。

(龍神さま、悪ふざけをしてごめんなさい……どうかお許しください……)

池の方を見つめながら、わたしは必死に許しを乞いました。

すると……

「わぁっはっはっはっはっはぁーっ!!!」

と、まるで恰幅のいいおっちゃんが抱腹絶倒するかのような笑い声が頭の中に響き渡りました。

……え?
ええっ!?

もしかして龍神さま、怒ってないの?

むしろ、喜んでる?

そして、池の方から目も開けていられないほどの突風が一瞬吹きつけたかと思うと、上空に浮かぶ龍のような姿がぼんやりと脳裏に浮かんできました。

(やば、シェンロンさまそっくりや……ドラゴンボール全部集めてないのにシェンロンさま呼び出してまった……)

そんなふざけたことを考えながら、みんなと合流して無事池のほとりのお堂で参拝をさせていただきました。

さっき頭に降ってきた謎の笑い声も、脳裏に視えた龍のイメージも、それが自分の想像なのか何なのかイマイチ自信がなかったので、みんなには秘密にしておくことにしました。

自然(神様)が起こした不思議な現象

※画像はイメージです。

その後、突然空を覆った黒い雲がにわか雨を降らせると、すぐにまた晴れ模様に変わりました。

そして太陽が現れると同時に祖母の家の方角に二つの虹が掛かりました。

視えたものや感じたものがどこまで本当なのか自分でも疑わしいのですが、もしも本当に苧ヶ瀬池の龍神さまが心から喜んで下さり(?)雨を降らせたり、二つの美しい虹をわたしたちに見せてくださったのだとしたら……

龍神さまは案外賑やかなことが大好きなのかもしれない、と思った、それはそれは摩訶不思議アドベンチャーな一日でした。(笑)

それでは、最後までお読みいただきありがとうございました!

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